店主の日記 ときどき女将

2023-09-27 12:34:00

にしん蕎麦

最近お客様の会話で「ここはにしん蕎麦が有名なんだよ」というお声が聞かれます。

確かにここ最近の季節の蕎麦で夏は「ひやかけにしん蕎麦」春は「にしんと蕗とおろしの蕎麦」をお出ししているし、十割コースでは温蕎麦で「小さなにしん蕎麦」と、「にしん」を使用した蕎麦が多いかもしれません。

「にしん蕎麦」は1882年に京都が発祥とされていますが、他に北海道でも昔からの歴史があり、北海道では郷土料理 京都では名物料理としての歴史があるそうです。

東京では蕎麦屋以外であまりにしんを食べる機会ってないですよね。

苦手と言う方も多く、好んで「にしん蕎麦」を注文される方は少ないように思います。

そんな「にしん蕎麦」が当店で皆様に愛されていることはとても嬉しいです。

実は「にしん」の仕込みはとても手間がかかります。

下茹でした後に手で骨を抜いて、煮て、また煮て、味を落ち着かせて…なんやかやお出しできるまでに5日程かかります。

あまり日持ちがしないのでたくさん仕込むわけにもいかず、気が付けば毎日にしんの仕込みに追われているような(笑)

当店の「にしん蕎麦」はまずにしんを別皿で出して、そのあとにかけ蕎麦をお出ししています。

にしんを蕎麦前のお酒と共にでつまんで。

蕎麦がきたら、まずはかけ蕎麦で。そのあとににしんをのせて。

蕎麦屋らしい粋な楽しみ方ができるとおもいます。

にしんは「棒にしん」で単品のお料理でもお出ししています。

今後も皆様に楽しんでいただけるよう今日もにしんを仕込みながらお待ちしております。

 

ときどき女将